分科会 |
分科会
T |
寸劇シンポ:女の老い・七つの大敵 災害・犯罪から身を守る術を提案する |
本会が誇る演劇集団「WABAS」の女優陣が、涙と笑いの名演技で女の老いを脅かす様々な敵に立ち向かいます。 |
Co |
沖藤典子 |
ノンフィクション作家 |
出演者 |
渥美雅子 |
弁護士 |
石田路子 |
宇部フロンティア大学 |
稲葉敬子 |
会社顧問 |
井上由美子 |
城西国際大学教授 |
小城勢津子 |
高齢社会をよくする女性の会大阪 |
田中美智子 |
高齢社会をよくする女性の会大阪 |
中尾敦子 |
高齢社会をよくする女性の会大阪 |
中村雪江 |
城西国際大学客員教授 |
松田敏子 |
千葉県立衛生短期大学非常勤講師 |
松村満美子 |
フリージャーナリスト |
望月幸代 |
ミズ総合企画 |
谷島陽子 |
カウンセラー |
吉武輝子 |
作家 |
女一人 地域で生きる知恵
前段の出し物は樋口恵子作の脚本によるもので、ノンフィクション作家の沖藤典子さん他十四人が演ずる寸劇であった。「年金では生活できない話」「独り暮らしの高齢者への乗っ取り屋」「悪徳民生委員の出現」「ひったくりや空き巣泥棒」「親の年金目あての経済的虐待」「振り込め詐欺」などなど、一人暮らしの高齢者にスポットをあてて、面白おかしく問題提起がなされた。‘‘下を向いて歩こう。転ばないように。六十年前のきのこ雲。長寿国、平和のあかし・・・’’WABAS劇団の女優たちによる熱演に、会場は、涙と笑いの渦に包まれた。
後段は、この問題提起に対して、女優から転じたシンポジストたちが、さまざまな対策について意見を述べあった。地域の中で安心して生活を送るためには、公的制度と共にインフォーマルな地域の支えが重要であること。女一人、地域で生き抜く知恵を日頃から身につけることなど、幅広い経験や専門的立場から多くの示唆に富んだ話が伺えた。参加者は約四百名で盛況であった。(坂東素子)
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分科会
U |
介護保険はどう変わったのか 利用者と働く人々からの問い直し |
事業者主体からケアマネの力を生かせるシステムへ介護保険は変わることができたのか |
Co |
:樋口恵子 |
本会理事長・評論家 |
Pa |
岩田尚志 |
シムラ病院副院長・医師 |
Pa |
片山 壽 |
尾道市医師会会長 |
Pa |
渡辺由美子 |
厚生労働省老健局 |
Pa |
吉田由貴子 |
居宅介護支援事業所ピース所長 |
各講師の発言の内容は以下の通りです。
渡辺:介護保険の改正は、制度施行5年の経過を検証し、2015年問題を視野に入れて
「地域」がキーワードとなる。介護予防の推進や、認知症ケアの見なおし、ひとり暮らしを支える仕組みとして、小規模多機能型のサービス事業を創設する。医療と介護の間での機能分担と連携を密にする包括的なサポート体制への改革を進めている。
片山:尾道方式と言われている「サービス担当者会議」の実践例について報告。利用者に関わる主治医、訪問看護師、介護福祉士、医師、家族等で検討し、在宅へ向けてのケアマネージメントを行っている。
吉田:日常業務の煩雑、多忙さのなかでどう質の高いケアマネージメントができるかの悩みと、女性がになう現状が多いなか、報酬等の社会的保障の充実を望みたい。
岩田:医師と家族介護の両方の立場から、訪問看護サービスを利用して、病状の重い高齢者の医療と介護の問題点を報告。
「これだけは言いたい」では会場の発言者が大変多く、時間延長しての熱心な発言となった。
(國政義江)
(参考)
会場からの発言「これだけは言いたい」
◎新予防給付で、家事サービスの制限が不安
◎入所費用が高騰するなか、減免措置に資産の制限は不満。年金で入れる施設に。
◎ヘルパーの報酬を上げて、質の良い介護を。
◎地域包括センター創設には、保健師不足の実態がある。
◎保険料の地域格差を無くし、制度化へ。
◎市町村合併によるサービス基盤の不足。不便さで利用できなくなる。
◎増えていく認知症者に心のケアを。
◎新しい交付金制度には第三者の評価を盛りこみ、地域差をなくす。
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分科会
W |
いのち 看取りのとき どう旅立ちたいか、どう見送りたいか |
死を迎えるとき、過剰医療ではなくなるべく自然に。この願いに向けて、深く議論したい。 |
Co |
馬庭恭子 |
訪問看護ステーション「ピース」・広島市議会議員 |
Pa |
宮崎和加子 |
全国訪問看護事業協会理事 |
Pa |
山崎章郎 |
聖ヨハネホスピスケア研究所所長・医師 |
Pa |
大石睦子 |
広島ホスピスケアをすすめる会竹原支部 |
Pa |
小堀恵美子 |
WABAS会員 |
Com |
山口昇 |
公立みつぎ病院管理者・医師 |
まず、家族の立場からの問いかけ。ホスピスはガン以外の高齢者を今後受け入れられるか。在宅での看取りや、「看取りの家」のシステム作り等、死をタブー視せず語り合いたい。
「人生のしめくくりを住みなれた場所で」と町全体をホスピスにしたいとボランティアルームを立ち上げた大石さんの実践報告。
訪問看護士の草分け的存在の宮崎さん。二百名近い方を在宅で見送ったが、忘れられない死が沢山あった。訪問看護は寝込まない為の手伝いをすること。独居の人でも在宅で生きて死ぬことが出来る仕組みを作ることと、「看取りの家」を作ることが今後の課題。
山崎医師は今の医療制度の中でのホスピスの限界を十四年間の中で感じ、施設から地域に出て行く事にした、と。開設目前の「ケアタウン小平」の図入り解説あり。ホスピスでの経験がその理念と具体案の元になった。ガン以外の人も含めて、施設ホスピスを越えて地域の中で住み続けられる態勢を作って行く。(小堀恵美子)
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分科会
Z |
老いの自立は知恵しだい 新しい学び、はたらき、つながりのススメ |
これからの高齢社会をのりきるには、しっかり、きっちり経済的自立! |
Co |
松井純子 |
ラーニングネットひろしま代表 |
Pa |
天部テルミ |
広島県の女性の地位向上と社会参画を
すすめる運営委員長
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Pa |
袖井孝子 |
お茶ノ水女子大学客員教授 |
Pa |
平田富美子 |
IWAD専門学校理事長・校長 |
Pa |
横石知二 |
(株)いろどり 取締役 |
最後まで元気に生きるためには、働き続けることが大切だ!というメッセージがたくさん詰まった分科会であった。
袖井孝子さん/明るく元気に過ごしている高齢者のイメージを若者に伝えることが、若者が希望を持つことにつながる。
天部テルミさん/国の制度を活かし仕組みを活用して、自分を活かせる場に出ていこう。高齢者の雇用を支援する制度もあるので、定年退職を第2の人生のスタートと考えて欲しい。
平田冨美子さん/人はチャレンジして痛い目にあいながらも成長する。チャレンジはいくつからでもできる。経済的に自立していることはとても大切で、自分を活き活きさせる秘訣だ。
横石知二さん/お年寄りもわかりやすく活用しやすい仕組みを用意し、その仕組みを利用して収入を得られるようにした。お年寄りが収入を持ち輝いていると若者が町に帰ってくる。
会場からも参加者自身の経験談がたくさん飛び出した。最後にコーディネーターの松井純子さんが、そのためにも学びとチャレンジは欠かせないと締めくくった。
(香川恭子)
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分科会
U |
「ひとり暮らし」を生き抜く力とは 「ひとり暮らし」を支える自分作り、地域作り、システム作り |
介護の社会化で在宅での『ひとり暮らし』はどこまで可能になったのか? |
Co |
春日キスヨ |
安田女子大学教授 |
Pa |
黒田裕子 |
NPO[阪神高齢者・障害者支援ネットワーク]理事長・看護師 |
Pa |
薬真寺満里子 |
広島市社会福祉協議会 |
Pa |
吉沢久子 |
評論家 |
大会直前に「二十年後は単独世帯三割」との厚労省推計が出た。奇しくも「独りを生き抜く力」をテーマに掲げた分科会は、その課題を先取りし一人暮らし社会への対策を提言する場となった。
〈一人暮らしの基礎は自己主張=自分作り〉もうすぐ八十八歳の吉沢さんは、自らの「老いじたく」を通して食への気遣い、人間関係の貯蓄、人様へ差し上げる能力を培う普段の暮らし方を提言。
〈最後の命綱を『公』は離すな=システム作り〉一人暮らしを最期まで支える社会的支援策を調べた結果、介護保険制度下の自治体の取り組みはピンからキリまで。緊急対応や医療との連携等『民』の力を有効につなぎ支える公的見守りシステムの必要性を指摘した。
〈一人暮らしの安心は「場づくり」「人づくり」=地域づくり〉自らの震災体験を通して「高齢者の閉じこもり予防には自己主張ネットワークをつくること」とNPOを立ち上げた黒田さんのパワフルな話は、参加者に「私も地域で何か出来る事を!」と夢を抱かせた。
まとめとして春日さんより孤独にならないような地域づくりや自分づくりを呼びかけ、三百名を越える参加者からは前向きに生きる元気をもらったとの声が聞けた。(薬真寺満里子)
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分科会
X |
施設のここが知りたい 施設の評価と実態を知って上手に利用する |
多様な施設は、それぞれ住まいとケアをどう保障しているのか検証します |
Co |
山内雅弥 |
中国新聞 |
Pa |
横山輝代子 |
社会福祉法人〔あと会〕理事 |
Pa |
竹中寛 |
グループホーム〔もちもちの木〕代表 |
Pa |
周藤重夫 |
NPO[コンティゴしまね」事務局長 |
Pa |
本間郁子 |
NPO〔特養ホームを良くする市民の会〕理事長 |
報告 |
村上敬子 |
呆け老人をかかえる家族の会広島県支部 |
介護保険導入後、高齢者の住まいの一つである施設の利用は、「措置」から「選択」へと大きく変わった。
広島の特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人「あと会」理事の横山輝代子さんは、スウェーデンのコンタクトマン(担当者)制度を取り入れた個別ケアの状況を紹介。
広島でグループホームを開くNPO「もちもちの木」理事長の竹中寛さんは、おむつをはずすことなど「一番人間らしく暮らせるようにする」ケアの大切さを強調した。
一方、 |
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分科会
Y |
人生の店じまい フィナーレは私らしく |
選ぶ時代の葬儀・墓・遺言を考える |
Co |
桑田真弓 |
福山市会議員 |
Pa |
井上治代 |
市民団体〔エンディングセンター〕代表 |
Pa |
深江誠子 |
平安女学院大学教授 |
Pa |
坂本圭子 |
農業 |
Pa |
久保下多美子 |
NPO[西日本生活支援センター]
生前契約アシスタントアドバイザー |
今日は、遺される人のため自分のため、ゆっくりと人生のフィナーレについて語り合いましょうという語り掛けで第六分科会は始まった。
坂本 友人の好きな場所、好きな物で手作りの葬儀をした。まったりとした時間。人間関係は宝と思った。
深江 葬儀は今2〜3兆円市場の中にある。墓石は環境破壊、棺は地球温暖化の一因になる。樹木葬を紹介。
久保下 葬儀は必要最低限の法的手続きを含めた一連の中にあり、規定の物は無い。生前契約アドバイザーは逝く人の立場で捉える。
井上 慣習として墓は男系が守る永代システムだが法的根拠は無い。自分らしい生を閉じるためには学習し、自己決定して、自分の意思を書き記す必要がある。時には生前契約という法的手続も必要。各国葬送事情と桜葬を紹介。
会場の中央に環境に優しい体験可の棺を置いて、客席から樹木葬、遺言、散骨などについて活発な質疑応答が交わされた。自分らしい生の閉じ方を考えることは、今の自分の生き方に深く繋がる。個として生き、個として逝きたいという意思を持つ人が在る。
(大隈省子)
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